研修

Manual

1 なぜ研修が必要なのでしょう

◆研修の3つの要素

一口に研修と言ってもいろんな種類があります。

管理職研修や新入社員研修、またハラスメント研修やワークライフバランスなど仕事だけではない部分も網羅するときも。

その時の時流や経済的なことで会社の方針転換をするときも研修やセミナーを通し勉強することがあります。

それではどんな要素があるかと言いますと、大きく分けて3つの要素があります。

一つ目は教育

二つ目は周知

そして三つ目は意識づけ(動機付け)です。

①教育

企業の成長に不可欠なのは人材の育成です。従業員各々の能力、スキルの向上を目指すために行うのはもちろんですが、その育成が企業の掲げる理念や方向性に合致した形できちんと行われているかどうかが、実はとても重要なのです。

教育には、主に「階層別研修」と「目的別研修」があります。

階層別研修 主な研修セミナー例
目的別研修 主な研修セミナー例

②周知

全従業員を対象とした研修では、法改正や社会情勢の変化によって注意喚起が必要となるテーマの研修まで、幅広い分野があります。

セミナーや研修をすることで個々に伝えていく手間が省け、多くの従業員に一度に伝えていくことが出来ます。

主な研修セミナー例
安全衛生・メンタルヘルス・ハラスメント等健康に関する研修
労災防止・業務研修

③意識付け(動機付け)

セミナーの受講を通して企業に属する従業員としての自覚を高め、日々の業務に対する理解をより深める機会を社内全体で共有することは、それぞれが現場で担う仕事によって得られる充実感ややりがいの向上、さらには企業の団結力アップにもつながる非常に有益なものとなります。

◆注目される人的資本

少子高齢化が進む中、新規採用や若年層の確保は今後厳しくなっていくことは間違いありません。

中小企業であれば、ますます企業内の高齢化は進みます。今は人員が確保できていても、10年後20年後はどうでしょうか。

今年生まれた子供たちが就職する20年後に、優秀な若手が在籍できているでしょうか。

そのような時代が訪れる前に、なんらかの手を打たないと企業が存続できません。

そこで「人材の教育」が大きなカギになります。

そう、戦略転換をしなくてはいけないのです。

以前であれば、なんとか良い人材を確保することもできたため、人を育てるよりも、即採用、即戦力にすることが出来ました。

しかし、採用難の現在は

「今いる人をどう育てるか」 「どう組み合わせるか」

が人事戦略の大きな課題です。

採用中心の戦略から、教育投資への戦略転換が必要になってきたのです。

つまり、中小企業ほど

今いる人の実力をどう発揮するか モチベーションをどう上げていくか 組織をどう活性化させるのか

が重要です。

これらは日々の業務だけではできません。

これらを補うのが「研修」や「セミナー」です。

  • 2 社労士が実施する研修を受講するメリット

    研修の目的は、仕事へのモチベーションを高め、労働生産性をあげることです。

    では、従業員が仕事へのモチベーションを高めるにはどうしたらよいのでしょう。

    有名な「マズローの欲求5段階説」と「ハーズバーグの二要因理論」にて説明します。

    「マズローの欲求5段階説」とは

    欲求には以下の5段階があり、1の段階から順番に、高い段階に向かって進むと言われています。

    ①生理的欲求

    人間の原始的な本能に根付いた欲求で、具体的には十分な睡眠、休息、生命を維持するための食事・栄養などがあげられます。例えば、長時間労働や業務負荷の過多などの理由で十分な休息・睡眠時間が取れない状況が続くと、生理的欲求が満たされない状態となります。

    ②安全欲求

    住む家があって安定した暮らしができる、収入の見通しを立てたい、心身の安全が守られる職場で働きたいなど、安心・安全に対する欲求です。例えば、雇用の維持や組織の存続への不安(倒産や買収など)、労働災害などが多い職場で働いていると、安全欲求は満たされない状態となります。

    ③社会的欲求

    仲間が欲しい、人とつながりたい、どこかのグループに所属したいなど、人間関係に関する欲求です。例えば、職場でのコミュニケーションがしっかりとれている、組織の仲間として受け入れられている、信頼できる上司や同僚がいると社会的欲求が満たされている状態となります。

    ④承認欲求

    承認には2種類あり、周りからも自分自身のことも承認されたいという欲求です。

    「他者承認」は上司・部下・後輩・同僚・他部署からの声掛けやフィードバック、職場での表彰、顧客からの感謝、適切なタイミングで誉められることなどがあげられます。

    「自己承認」は仕事で達成感を得られていること、自分への自信(自己効力感)や自尊心(自己肯定感)など感じられているかどうかがあげられます。

    どちらも満たされることで、最後の階層である「自己実現欲求」の段階に進みます。

    ⑤自己実現欲求

    自分の能力や「らしさ」を開花・発揮させて、理想の自分に近づきたいという欲求です。

    自己実現欲求に従って動いている人は周囲からの評価や環境に左右されず、主体的に行動できるようになり、労働生産性が高まることが期待できます。

    マズローの欲求5段階説のポイントは、下の段階から順番に満たしていく必要があることです。

    従業員の主体性が発揮されるのは4段階目である「承認欲求」からといわれており、そのために

    まずは基盤となる1→3の段階を満たさないと、その上の段階にはたどりつけません。

    「ハーズバーグの二要因理論」とは

    仕事に対して「満足」と感じる要因(動機づけ要因)と「不満足」と感じる要因(衛星要因)は、

    同じでは無いという考え方です。

    動機付け要因とは、

    仕事への達成感、仕事における責任や権限の付与、周りからの承認で、

    マズローの欲求5段階説でいうと、自己実現欲求・承認欲求・社会的欲求の一部になります。

    衛生要因とは、

    適正な賃金等の労働条件・職場環境、会社の理念やルールの明確さ、職場の人間関係で、

    マズローの欲求5段階説でいうと、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求の一部になります。

    ハーズバーグの二要因理論のポイントは、両方の要因を満たす必要があることです。

    例えば、経営者が従業員に対し、「給与を増やすから、もっと頑張って!」と言っても、

    従業員にとっては、衛星要因(不満足)は解消されるので、

    給与が上がった当初は仕事へのやる気に繋がるかもしれませんが、

    能力発揮に繋がる動機づけ要因(満足)は満たされたわけではないため、

    効果が一時的なものになってしまう可能性があります。

    衛生要因を満たしただけでは不満足の解消をするだけで、満足にはつながらないのです。

    動機付け要因も満たさないと、社員の能力や意欲が引き出されることはありません。

    二つの理論から言えることは、

    仕事へのモチベーションや労働生産性を高めるためには

    ①段階に沿って取り組みを行っていくこと

  • 十人十色の多様性を活かした会社作りをサポートします

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